
音を感じる器官が障害される感音難聴は、音を伝える外耳や中耳の障害で起きる伝音難聴にくらべて格段に治療が困難です。一般的に、治療しても聴力が元に戻らないのが普通ですが、突発性難聴は治療で聴力の回復が望める数少ない疾患です。
約30%の患者は完全治癒に至り、約50%の患者は完全治癒には至りませんが聴力の回復が可能です。しかし、残念ながら残りの約20%の患者はどのような治療を行っても改善が見られません。
治療はできるだけ早期にはじめることがポイントです。聴力は発症してから時間がたてばたつほど症状が固定化し、聞こえない状態のままになってしまいます。治療開始が早ければ早いほど予後は良好であると言われており、なるべく早く(遅くとも発症して1〜2週間の間に)受診することが大切です。
治療の中心は薬物療法です。ストレスによって発症するケースが多いので、急性期には入院して安静を保つことが望ましいでしょう。内耳の血液循環を促すための血管拡張薬や血流改善薬、ウイルス性内耳炎の改善を目的とするステロイド薬などによって治療が行われます。
薬剤以外の方法としては、交感神経の緊張をやわらげて血管を拡張させる星状神経節ブロック、二酸化炭素による血管拡張を期待して酸素と二酸化炭素の混合ガスを吸引する混合ガス療法、内耳に高濃度の酸素を供給する高圧酸素療法なども行われます。これらの治療によって、聴力が回復されるまでには1ヵ月程度の時間がかかります。ただし、治療後も、聞こえの障害や耳鳴りが残る場合もあります。